不運にも負傷して地面に横たわり、歩くこともままならない一匹のキツネ。そんな弱ったキツネが、百獣の王であるライオンに見つかったとしたら、その後何が起きるかは誰もが簡単に予想できるだろう。キツネの何倍もの体格を持つライオンなのだから、クイっと捕まえてエサにすることなんて、よっぽど簡単なはず…。ところが、この記事のストーリーを読めば、その概念がガラッと変わるかもしれない。動物は私たち人間よりも愛情深いのかもしれない…。
1. 負傷したキツネが捕まった
この写真の一匹のキツネが、どのようにして怪我を負ってしまったのかは定かではないが、可哀想なことにひどく負傷していた。さらに運がついていないことにも、ちょうどそのとき、お腹を空かした雌ライオンが現れたのだ!そしてそのライオンは、この怪我をしたキツネに向かって近づいてきた…!キツネはライオンの接近に気がつき、恐怖のあまり動けなくなっていた
2. ライオン一家が続々と
そこに現れたのは、雌ライオンだけではなかった。雌ライオン以外にも、雄ライオンや子ライオンなど、他の家族たちもキツネの近くにやってきたのだ。全員がキツネの存在に気づいて、じろじろと様子を伺っていた。負傷したキツネの骨にどれだけ新鮮な肉がついているかチェックし、今にも食べようと試みているに違いなかった。さて、このキツネは助かるのだろうか!?
3. 好奇心旺盛な子ライオン
特に、三匹の子ライオンは、自分たちよりも小さいキツネに興味津々で、どんな動物なのかと知りたくて、様子を伺おうと必死になっていた。もしかしたら生まれて初めてキツネという存在を見たのかもしれない。負傷したキツネは明らかにやんちゃそうな子ライオンに戸惑い、この恐ろしい一家から逃げたかったが、体が思うように動かない。どうする、キツネ!?
4. 母性本能か
地面に横たわっているキツネに興味津々な子ライオンたちは、「これが今日の夕食になるのだろうか?」とワクワク興奮して見守っていたが、一方、母である雌ライオンは、負傷したキツネの周りを這うように横になり、なんと守る体勢をとったのだ!ライオンなのに、目の前にエサがあるというのに、まさか捕食しない!?それとも、ただのフリなのだろうか?
5. 心配するライオン
雌ライオンは、ただ横に寝そべってかばってあげるだけでなく、キツネが傷を痛がって鳴いていると、心配そうに見守った。雌ライオンも雄ライオンも、まるでそのキツネの親のように心配していたのだ。これが母性本能というやつなのだろうか?でも、このキツネが同じ種ではないことはわかっているはず…。キツネはなんとか救われたようで、安心しはじめていた。
6. 平和な時間
キツネとライオン一家が出会ってから、もうかなり時間が経っていた。時間が経つにつれて、キツネとライオン一家は警戒心も失い、お互い戦うことなく平和な時間を一緒に過ごしていた。ライオン一家のどのメンバーも、弱ったキツネを食べたり、脅したりしなかったのだ。キツネもライオン一家に仲間入りしたかのように、完全に打ち解けていた。
7. 興味をなくす雄ライオン
ところが、しばらくして、父の雄ライオンは興味をなくしたのか、そこから移動したい様子だった。雄ライオンは雌ライオンに向かって何かを吠えていて、負傷したキツネをもうこのまま放っておくか、それか雌ライオンと子ライオンに託したいと思っているようだった。雄というのは、人間でも、気が早くせっかくな人が多いが、ライオンでもきっとそうなのだろう。
8. よくある雄の行動
せっかちな雄ライオンは、もうすっかり負傷したキツネに興味を失っていた。雌ライオンはのんびり横たわっていたが、雄ライオンは先を急いでばかりで、落ち着きがなかった。すると、しびれを切らしたのか、一人でその場を去り、しばらくの間、別の場所を歩き回っていた。やがて、しばらく経つと、雌ライオンのところに戻ってきた。これは人間にもよくありそうな男女の光景だ。
9. 過保護なのか
雄ライオンは、散歩から帰ってきたが、イライラが止まらなかったのか、その存在を邪魔に思ったのか、負傷したキツネに向かって吠えた。まだ回復できていなかったキツネは当然、びっくりする。すると、ずっと最初からキツネの味方をして横に寝そべっていた雌ライオンが、信じられない行動に出た…!このとき雌ライオンがとった、驚愕の行動とは!?
10. 怒りマックス
キツネの母になったかのようだった雌ライオンは、雄ライオンがキツネに向かって吠えたとき、なんと、依然として可哀想なキツネを守り続けようとし、前足で雄ライオンを蹴ったのだ!自分の本当の家族、同族であるはずの雄ライオンを蹴り飛ばして、そこから追い払い、出会ったばかりのキツネを守ろうとしたのだ!自分と同じ種ではないキツネのほうに味方につくなんて。これは信じられない出来事だった!
11. 何か食べている?
しばらくすると、この一連の事件を写真に収めていたカメラマンは、誰かが何かを食べている音を聞きつけた。もしかして、あの負傷したキツネがいずれかのライオンについに食べられているのでは…?!と疑い、ついに事件を目撃することを覚悟した。おそらく、雌ライオンの反応にイラ立った雄ライオンが食べたか、好奇心旺盛な子ライオンが食べたか、そのどちらかだろう…。
12. エサ
その場にいたカメラマンは、ライオン一家とキツネの様子をもう一回よく見てみると、幸いにも、例の負傷したキツネはまだ無事だった。カメラマンが聞いた食事の音は、あのライオン一家が他のライオンが持ってきたエサを食べているだけだった。なんとか、雄ライオンも子ライオンも理性を失わなかったのだ!命拾いしてよかったね、キツネ!
13. 奇跡の回復
しかも、ライオン一家に無事に食べられずに済んだこのラッキーなキツネは、奇跡的に負傷から回復したようで、かろうじて後ろ足で立ち、自力で歩けることができるようになっていた。一人で歩けることができれば、また元どおり、サバンナで生活していけるし、自分の家族や仲間とも合流できるはず!たまたま巡り合わせたライオンが、過保護な母ライオンで本当によかった!
14. まだ安全とはいえない
残念ながら、写真には収められていないが、この場に居合わせたカメラマンによると、キツネが回復し、一人で歩きはじめたとき、お腹を空かせた二匹のジャッカルが近づいてきて、キツネに対して叫び声をあげたという。それでびっくりしたキツネが、一目散に安全な場所へと逃げ去っていた姿をカメラマンは目撃したという。サバンナではいつ何が起きるかわからないし、安全とは決して言えない。
15. 無事に生存
さらにカメラマンによると、この負傷して雌ライオンに守られたキツネは、今日もまだ生き残っているそう。この事件後にも、草むらの中で元気に生活している様子が何度も目撃されているそうだ。しかも目撃されるたびに、あの日の負傷から着実に回復している様子だとか。本当によかった!たまたま遭遇したライオンに命を救われた一匹のキツネ。これは誰もが想像しなかったシナリオなのでは?