海外レース他 | 住友ゴム工業の飽くなき挑戦。ファルケンポルシェ、7年ぶりのニュル24時間表彰台を目指す
海外レース他 | 住友ゴム工業の飽くなき挑戦。ファルケンポルシェ、7年ぶりのニュル24時間表彰台を目指す

 ドイツ・ニュルブルクリンクで開催される伝統の一戦、第50回ADAC・トタル24時間レース(ニュルブルクリンク24時間耐久レース)の予選レースウイークが5月6〜8日にかけて行われた。日本勢では1999年から挑戦を続ける住友ゴム工業が2022年もファルケンブランドで参戦。ファルケンタイヤを装着する3台の車両が、5月28日~29日に開催される決勝レースに向けて入念な走り込みを行った。

住友ゴム工業は自社ワークスチームのFalken Motorsports(ファルケン・モータースポーツ)として『ポルシェ911 GT3R』の2台体制でFIA-GT3車両で競われるSP9クラスに参戦し、2015年以来となる表彰台獲得、そして悲願のニュル24時間初優勝を目指す。また、ファルケンは3年ぶりにSP3Tクラスに参戦するスバルテクニカインターナショナル(STI)の114号車SUBARU WRX STIにもタイヤを供給。スバルのSP3Tクラス7度目の勝利に向けた戦いを足下から支えている。

2021年度大会で総合4位、総合9位で完走を果たしたファルケン・モータースポーツは、引き続き『ポルシェ911 GT3R』の2台体制となる。33号車はジャクソン・エバンス、スヴェン・ミューラー、パトリック・ピレ、マルコ・ゼーフリート、44号車はクラウス・バッハラー、ラーズ・カーン、アレッシオ・ピカリエッロ、マーティン・ラギンガーといった強力な布陣で、全91台が出走する予選レースウイークに挑んだ。

ファルケン・モータースポーツのポルシェ911 GT3R
ファルケン・モータースポーツのポルシェ911 GT3R

走り始めとなった5月6日の予選1、予選2では2台揃ってトップ30入りを果たす幸先の良い走り出しをみせたファルケン・モータースポーツ。しかし、5月7日の予選レース1を前にしたウォームアップラン中に、クラッシュした他車を避けるべく44号車がバリアに接触。44号車はフロント、リヤともに大きなダメージを受け、予選レース1を見送ることに。そんななか、21番手からスタートした33号車は7つポジションを上げて、3時間の予選レース1を14位で完走し、44号車不在のなか、走行データの収集に取り組んだ。

5月8日に行われたトップ予選の結果で予選レース2のスタートポジションが決まる中、朝3時までの懸命な修復作業により復活を果たした44号車が8分10秒461を記録し、総合8番手に食い込む。一方、33号車はトラフィックの影響も受け、記録は8分13秒425と総合17番手となった。

予選レース1同様、3時間で争われた予選レース2では開始40分のところで、33号車がアクシデントによりリタイアとなってしまう。一方、44号車は予選レース1で出走できなかった雪辱を果たす好走をみせ、2つポジションを上げて総合6位とシングルポジションでチェッカーを受けた。

今大会はニュルブルクリンク24時間レースの記念すべき第50回大会であると同時に、BMW M GmbHにとっても創設50周年の記念の年となる。それだけに、予選レースウイークではBMW M4 GT3の7台が走り出しから好調をみせていた。BMW勢は予選レース1を制したほか、ペナルティで後退するも予選レース2でもトップでチェッカーを受けており、ファルケン・モータースポーツの2台のポルシェ911 GT3Rにとっては、いかにBMW勢と対峙するかが決勝の勝負どころとなりそうだ。

ファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3R
ファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3R

そして、24時間の決勝を迎えるにあたり、気になるのは当日のコンディションだろう。1周25,359kmのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)は山の天候らしく、ドライコンディションから一転して降雨や降雹など、急なコンディション変化も予想される。それゆえに、突然のコンディション変化への対応力も勝敗をわける鍵となるが、住友ゴム工業モータースポーツ部の竹内二郎部長は「ウエットタイヤは多種多様なスペックとカットスリックを持ち込みます」と語った。

さらに、今年は5月にしては気温も高めという気候状況も鑑み、「高気温・高路温時でも8周(1スティント)を走れることが今回確認できた。決勝に向けてもいくつかのコンパウンドを含め、複数のドライタイヤを持ち込みます」と竹内氏。今年のニュルはBMW勢が7台参戦と力を入れてきており、メルセデスも決勝では有力な優勝候補となるが、ドライの高気温、高路温下でも、そしてウエットコンディションでも安定してタイムを刻むことができるファルケンタイヤのロングランの強みを活かし、「2015年以来となる表彰台を獲得を目指す」と竹内氏が決勝に向けての抱負を語る。今回の予選で参戦した33号車と44号車のドライバーラインアップは決勝に向けて入れ替えも検討されているようで、万全の体制で決勝に臨むことになる。

ファルケンタイヤを装着する114号車SUBARU WRX STIは7度目のSP3Tクラス制覇を目指す
ファルケンタイヤを装着する114号車SUBARU WRX STIは7度目のSP3Tクラス制覇を目指す

 

また、排気量2リッター未満のターボ車両によって争われるSP3Tクラスでは3台が予選レースウイークに臨んだ。ファルケンタイヤを装着する114号車SUBARU WRX STI(カルロ・ヴァン・ダム/ティム・シュリック/マセール・ラッセー/佐々木孝太)は、いずれのセッションでもクラストップをキープ。大きなトラブルもなく予選レースウイークを終えており、7度目のSP3Tクラス制覇だけではなく、総合順位でもどこまで上位に食い込めるかにも期待が募るところだ。

第50回大会を迎えたニュルブルクリンク24時間耐久レース。伝統の一戦に1999年から飽くなき挑戦を続ける住友ゴム工業/ファルケンタイヤは今年、どのような戦いを繰り広げるのだろうか。24時間の決勝レースは5月28日の日本時間23時(現地時間16時)にスタートを迎える。

1999年より、ニュル24時間への挑戦を続ける住友ゴム工業/ファルケン
1999年より、ニュル24時間への挑戦を続ける住友ゴム工業/ファルケン
ファルケン・モータースポーツのポルシェ911 GT3R、SUBARU WRX STIの計3台で挑む住友ゴム工業/ファルケン
ファルケン・モータースポーツのポルシェ911 GT3R、SUBARU WRX STIの計3台で挑む住友ゴム工業/ファルケン

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